便秘について 最終回
さて、子供の便秘についてのブログも今回が最後です。
初めてこのブログに来られた方は、ここから読んでいただいてもけっこうです。今回は過去5回分のまとめになります。
まず、便秘治療の3大原則は以下のことになります。
① 便秘治療の最初にやることは、おしりをフタしている便塞栓(硬い便の塊)があるときは、便塞栓を除去してから、薬、食事、生活改善などの他の治療を開始する。
② おしりのフタが外れたら、そのままにしておくこと。また硬い便でおしりにフタができないようにする。
③ おしりにおりてきたうんちは、我慢しないで出し切る習慣を身に付ける。
実際の診療の場面でよく陥る間違いもあげておきます。
便塞栓の除去では、浣腸を1回して便が出たら、それでOKと思ってしまう。 → 実際には、まだ腸の中に便がたまっていることが多いです。
→ 内服を開始しても、硬い便が出るときは、また浣腸が必要です。
内服薬を途中でやめてしまう。
→ 内服でいい便が出るようになったら、それを継続しましょう。
→ 毎日排便があっても、硬い便が出ているようなら、まだ便秘です。
→ 便通の経過を報告して、薬をやめる時期を一緒に考えましょう。
排便は本人にまかせっきり
→ 年齢により、排便のメカニズムは異なります。年齢に応じた排便習慣があり、適切な便の硬さになっているか確認しましょう
→ 排便イヤイヤ期(排便恐怖や遊びに夢中、パンツ移行期など)は誰にもあります。少しずつでも出来るようになったことをほめて、生活習慣として関わってあげて下さい。
今回の学会のセミナーを通して、便秘の治療は私自身が思う以上に長期戦であることを再認識しました。でも、便秘を正しく認識して、治療を継続しようという気持ちと、正しい治療を組み合わせることで、便秘による苦痛や“排便恐怖”からお子さんを解放してあげることが出来ます。
排便について気になることがあるようでしたら、まずはご相談いただけたらと思います。
便秘についてはこれでおしまいです。
お子さんの毎日が、「すっきりうんこで今日もニコニコ」になりますように。