便秘について その4
便秘についてその4です
さて、便秘の治療では、
① 一旦固くなってたまっている便を浣腸などで除去して、空っぽにする。
② そのあと規則正しい生活習慣、バランスの取れた食習慣などで、排便習慣の確立を身に着けるようすること。
③ 内服薬はこの習慣が確立するまでの補助である。
ということを書きました。
排便習慣が確立するということは、「普段は直腸が空っぽで、直腸にうんちがおりてきたら排便して、また空っぽにする。」といことが出来るようになることを言います。繰り返しになりますが毎日排便があっても、直腸にたまった便が少量ずつ出ているだけで、空っぽになっていないようなら、まだダメなのです。
食事については、水分量や繊維質の食品などを摂取した方がよさそうですが、便秘と唯一関連があったのは食事中の脂肪の割合で、これが高い場合は便秘になりやすい傾向が認められたそうです。つまり便秘であっても、普通にバランスの取れた食品の摂取をおこなっていればそれでよいということの様です。
便塞栓の除去については、現状では浣腸が唯一の治療方法になります。方法としてはグリセリン液を用いた浣腸を1日1回、3~6日間継続することが推奨されています。
その後、排便習慣が確立するまでお薬を使うわけですが、従来のお薬の中には、腸管を刺激して便意を出すものがあります。このような薬を使う場合は、便塞栓を完全に取っておかないと、便意を催しても腹痛が起こるだけで、排便の恐怖心のみを残すことになりかねません。
最近になって、腸管への刺激作用が少ないお薬も出てきました。ただし、刺激作用が少ないということは、便意を自覚しにくいということが弱点になります。そこで、積極的に排便を促してあげる働きかけが重要になります。(トイレトレーニングのできる年齢以降)
具体的には
便意がなくても排便がなかった日は、夜にトイレで排便努力してみる
朝晩の食後にはトイレに行く時間を作って、排便努力してみる
ということです。
ただし、トイレトレーニングには正しい排便姿勢があります。
どういうことかというと、足は床について、踏ん張れるようにしてあげることが大切です。一般の便器に補助便座を置いて座らせる場合は、足台も置いてあげてほしいのです。また、いきむときには少し前かがみになることが必要で、前から手をつないであげたり、ハンドル付きの便座やオマルを利用するのがいいと思います。
そして子どもの努力をほめてあげる声かけをしてあげてください。
慢性便秘のお子さんの場合、トイレトレーニングは遅れがちになりますが、治療の一環としては非常重要で、これをきっかけによくなることがあります。
今回はここまでです。