便秘について その1
今日から新しいテーマでブログの更新をしていきたいと思います。
新しいテーマは“便秘”です。
最初に“便秘”という状態がどのくらいのお子さんに起きているのかということから始めましょう。ある研究によれば3~8歳の3600人の小児のうち、約20%が、便秘の状態であったことがわかりました。
もしかすると、“便が何日も出ない”という状態が、これほど多くのお子さんに起きているのかと疑問に思われるかもしれません。でも、実は便秘というのは“便が出ない”というだけではないのです。
では、“便秘”とはどのような状態をいうのか整理してみましょう。
医学的には便が滞った状態(排便回数、量が減る)と、便が出にくい(排便に努力、苦痛を要する)または、いきんでも出ない状態の両方を便秘といいます。
したがって、次のような状態はいずれも便秘を疑う症状なのです。
① 便が何日も出ない(わかりやすいですね)
② 排便時の痛み
③ 切れ痔(出血、傷から出るような色の血が付着)
④ 排便我慢(便をしたそうなのに、出そうとしない)
⑤ トイレが詰まりそうなほどの大きな便
⑥ 便失禁(便汁の漏出)
⑦ 直腸に便を触れる
⑧ 繰り返す腹痛(原因不明の腹痛では便秘が原因として最も多い)
⑨ げっぷ、口臭
⑥の便失禁についてもう少し説明します。
非常に強い便秘の場合、体は硬い便を何とか押し出そうとして、腸液の分泌が盛んになります。腸液が潤滑油のように働き、便を排出しようとするわけです。しかし、便秘が非常に強いと、便は出ずに便の周囲を通った腸液がじわじわと肛門のから流れだしてくるのです。つまり意識していないのにパンツが少量の便や便汁で汚れるのです。
いかがでしょうか?
毎日排便があっても、実は“便秘”かも知れないことがお分かりいただけたでしょうか?。これを機会に一度お子さんの排便習慣、便の状態をチェックしてみてください。
次は、便秘の起きやすい時期や便秘に悩むお子さん・お母さんの気持ちについて書こうと思います。