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アトピー性皮膚炎をどう予防し、どう治療するか - あいさか小児科

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アトピー性皮膚炎をどう予防し、どう治療するか

公開日:2021年06月12日(土)

さて、今日は食物アレルギー(食品の感作)が起きる場所となる、アトピー性皮膚炎は予防できないか?、起きてしまったアトピー性皮膚炎とはどう付き合うかという話です。

 

これまでの研究で、出生直後の赤ちゃんに毎日保湿剤などを塗るグループと、このような介入をしないグループに分けて、アトピー性皮膚炎の発症が予防できるがどうかが比較検討されています。

それによると、早期からの保湿剤の使用はアトピー性皮膚炎を予防するという結果と、予防効果はないという結果が両方存在します。はっきりした結論は出ていないのです。

 

どうやら一般の赤ちゃんまで含めると、全員になんとなく保湿剤を塗るのはあまり意味がなさそうで、アトピー性皮膚炎の家族歴がはっきりしているハイリスクの赤ちゃんには、このような介入は意味があるかもしれません。

 

次に、発症してしまったアトピー性皮膚炎とどう付き合うかです。

小児のアトピー性皮膚炎では、一見湿疹がないような場所にも組織レベル(顕微鏡レベル)でみると、炎症が隠れていることが多いのです。そういう観点からは、明らかな皮膚炎の周囲までふくめて、一見健康に見える皮膚にも軟膏治療を行う意味がありそうです。

 

そして一旦皮膚の状態がよくなったら、再度湿疹が出たら軟膏を塗る(リアクティブ)というやり方もありますが、実は湿疹がでていなくても、何日かおきに軟膏を塗る(プロアクティブ)というやり方の方が、皮膚の状態のコントロールはいいのです。

当然、皮膚の状態がよい方が、その後にダニ抗原に対するアレルギーの感作は少ないという結果も出ています。

 

以上をまとめると、

 

アトピーのハイリスクの赤ちゃんには、生後早期からの保湿はアトピー性皮膚炎発症予防の意味があるかも。

 

一旦発症してしまったアトピー性皮膚炎には、湿疹の周囲まで含めて広めに軟膏治療を行った方がよい。

 

また、皮膚の状態がよくなっても、湿疹が再発する前から何日かおきに軟膏を塗った方がコントロールはよい。

 

ということになります。